▲MERSコロナウィルス 出典:Wikimedia
以下は、6月17日時点の初出の文章です。
韓国で「MERSコロナウィルス」感染症が広がっています。6月16日にWHO=世界保健機関による会見があり、現状では緊急事態に当たらないとしていますが、
・現段階では感染も医療機関の中などで起きていて、地域で感染が広がっている事実は確認されていない
・中東で確認されているものに対して、大きな違いはない
ことを理由としてあげています。ただ、新たな患者の報告は減少しているとしても、飛行機で国家間を自由に行き来できる今の世の中における韓国での感染拡大は警鐘を鳴らすものとして、各国が予期せぬ感染拡大の可能性に常に備える必要があると強調しています。
しかし、現状のように主に医療機関内にとどまっていればいいが、感染のつながらないケースが今後出てきた場合は再度検討されるようになっていくだろう、との報道があるようです。
日本では基本的に渡航スケジュールなどを延期する人もしくは、マスクなど備えてあえて渡っている人もいるようですが、日本では患者のいる病院を訪れたり接触していた場合は、帰国時空港や港の検疫で申告をするように呼びかけているようです。
いまのところ、韓国側の発表では外国人観光客も(今月に入り)10万人レベルでのキャンセルとなっているようです。報道の推移に気をつけてスケジューリングをしたほうがいいでしょう。
★MERSコロナウィルスとは
MERSコロナウィルスは3年前に見つかった新種で、サウジアラビアの病院にて入院患者から初めて検出されたもの。12年前に流行したSARSと同じ仲間だがまだわかっていないことが多い。中東ではヒトコブラクダの世話をしたり乳を飲んでる人が感染していることからヒトコブラクタ由来ではないかとも言われている。
★感染すると
潜伏期間は最大2週間で、2週間ほどの間に発熱、せき、息切れなど症状が現れ、肺炎を起こして呼吸困難に至る。致死率40%、糖尿病患者などの慢性病患者や高齢者が重症化しやすい。予防ワクチンはなく、治療法も確立されていない。ただし、現在の韓国での致死率は10%程度のため、致死率は実際にはもっと低い可能性もある。
★韓国で流行した背景は
5月20日にサウジアラビアなどの中東で仕事をして帰国した68歳の男性に初めて感染が確認された。当初9日診断が確定せず4つの医療機関で診察を受けたり入院。その間適切な院内感染対策が取られなかったため、同じ病室の患者、家族、医療スタッフなどが2次感染し、2次感染した患者が転院した先の病院でも院内感染で3次感染された。これだけ拡大した理由は、韓国独特の数院の病院を掛け持ちし、セカンドオピニオンを求める習慣によるものともいわれる。
★日本に侵入する可能性は
現状は感染の繋がりがわかっており、主に医療機関に留まっています。ただ、この患者と接触がなかった人が感染しウィルスの感染つながりが途切れた場合は、市中感染の可能性が出てくるので注意が必要になりますので、報道を注意深く見ていく必要がある。
★韓国旅行に行く場合注意することは
不要不急であれば、延期再検討をしてもいいと思いますが、仕事や観光でこの期間中韓国に行く場合は感染者がでた病院は公表されているので、そこに出入りをしない。あるいは近くにはいかないほうが懸命。手洗い、マスクの徹底。せきエチケットの徹底。可能なら、あまり混雑する場所を避けたほうがいいかと。
また、周囲等が過度に心配するような環境にいる場合は、迷惑をかけないという意味合いでは延期しておいたほうが周辺の人は安心するかもしれません。ただ、現状では行く事自体には問題は出ないと思います。
★ソウルはどうなってる?
連日明洞でマスクをした人がTVに映っていると思いますが、結構地元の人も、できるだけ公共交通による混載よりも、人との接触を避けたほうが安全という判断をしているのか、タクシー移動をしている人も多いようです。人の集まる所は動員が下がっています。野球場、映画館など。
★地方は?
現状では、ソウルの他ソウル近隣の地方や第二の都市・釜山でも見つかってはいますが、チェジュあたりにはまだ出ていないかと思います。聯合ニュースでは1日から7日までの間で日本人200人がチェジュ旅行もキャンセルしたようです。
※疑いのあった方がチェジュに宿泊していたようで警戒されています。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2015/06/18/0500000000AJP20150618003700882.HTML
いったん収まるとすればあと数ヶ月はかかると思いますので、夏以降に延期しておくのが妥当かなと、ただ気にしすぎるのもよくないので、注意深く状況を見てください。
参考:NHK NEWS WEB/日経